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クニヅクリ ルポタージュ#2 鈴木洋見・恵美香

更新日:2023年10月24日

今回は屋久島で場づくりをしている洋見くんのフィールド

EL Villageにお邪魔してきました。

台風の近づく中でのルポタージュ。

島で暮らすことのリアルも見させていただきました。




自然と共生する循環した暮らし“Earth Life”を体感できるコミュニティEarth Life Village

通称EL Villageは昨年クラファンを達成し、アースバッグ工法でトイレと薬草研究所を建築中。トイレは9月に完成予定。

※アースバッグについては以前の記事に詳しく書かれています。

 

洋見と恵美香の物語



ソウルナビゲーター 鈴木洋見 ソウルナビゲーション


家が神社の参道にあり、縄文遺跡の上で育った。18歳の時に単身インドに渡り、狂犬に噛まれるという経験をして死と向き合ったことをきっかけにキックボクサーとなり、プロ(日本ランキング5位)として活躍。23歳で引退した後、夢だった世界への旅に出てエチオピアの地と出会う。日本に帰った時に漠然とこの国は何か大切な事を忘れてしまっていると感じた。先住民と共に暮らす事で見えてきた光のようなもの、エチオピアには日本が忘れてしまった何かがあると感じ、エチオピアを表現する事で忘れてしまった何かを思い出すのではないかと、エチオピア専門のカメラマンとなる。

エチオピアと日本を行き来する生活の中で、人生のパートナーとなる恵美香さんとある日渋谷で出会う。


薬草研究家 恵美香 屋久島薬草研究所


小さな頃からみんなには見えないものを見、声を聞いていた。

周りの反応からこれは人に言ってはいけない事なのだと感じ、自分のアイデンティティの一部を隠して日々を送る。

祖母が野草に詳しく色々と教えてもらった。植物も埴輪も大好きな少女時代。夢はジャングルに住み、ターザンみたいな人と結婚する事だった。でもその前にアパレル業界でがっちりと世欲にまみれることをしたいと青山のセレクトショップで働き、大好きなVivienne Westwoodの買い付けや接客を任されるようになる。

25歳の時に130キロで走って来た車に撥ねられ、死を体験する。まだやりたい事があると強く生きる事を願いこの世に戻って来た。この時の経験で魂と体が分離していたら戻ってこれなかったと感じ、発する言葉と食べるものに気をつけるようになり、自分を隠さないで生きたいと願うように。すると理解してくれる人が周りに現れ、自然と隠していた部分をオープンにできるようになっていった。アパレル業界で10年やり切ったと感じた後、カナダに移住。そこでネイティブの方達の暮らしに触れる。そんな折、渋谷で洋見くんと出会う。



アイヌ(=人間)として

二人が三内丸山遺跡を訪れた時、フラッシュバックが起こり縄文時代の自分が重なった。そのまま北海道に渡りアイヌの人々の暮らしの中に入れてもらった。そのご縁でアイヌ式で結婚式を挙げたいと思った二人は、コタン(村)のレラさんに伺いカムイ(神様)から許可をいただく。2人は何故か日光の地で結婚式を挙げることになり、日光がアイヌの聖地だったことを知る。無事に結婚の儀を終えた瞬間、厚い雲が割れ、太陽が2人を祝福した。これはその瞬間を納めた写真。この時見えない世界を確信し、二人は祈りと共に生きると決意。




屋久島が呼んでる 新婚旅行のシャスタから戻った後、福島に移住し震災に遭う。 生まれたばかりのアニカちゃんを連れて九州へと移動し、

暮らす場所を探していた時に

3ヶ月前東京で会った屋久島のガイドのナオとケンタから連絡が入る。

「ヒロミ、屋久島が呼んでるよ。」


その2日後3人は屋久島へ渡っていた。

ただただ必死だった。

そこから屋久島ライフが始まった。




 

EL Villageへ

屋久島はUFOの目撃談が非常に多いことで知られる。

その理由の一つは太古の昔、

人がまだ天と地と繋がっていた時の記憶を残す場所だからだそうだ。

台風が近づいている屋久島には、フェリーがもう3日間来ていない。

スーパーのパンコーナーの棚には1日目からもう何もなかった。

1週間くらいは島のみんながそこにあるもので暮らさなければならない。

屋久島で暮らすことは周りの人との繋がりが必須であり、

自然との共生は当たり前のことなのだと感じた。


待ち合わせの時間まで少しある。

近くの八幡神社へご挨拶に向かうと境内の石が立って迎えてくれた。

これは何のメッセージだろうと思いながら向かう。



EL Villageは屋久島の蒼い山と青い空が目前に広がり、アースバックで建てられたユニークな建物がシンボルとなっていた。



フィールドの奥には森が広がり、山から湧き出る水が豊かに流れている。建物の柱は焼いた杭になっていて地面に刺さる事で天と地を結ぶ風穴が開き微生物が活性化され、また足元に敷かれた石は人や車が踏む事で電流が流れ、土が豊かになる仕組みになっている。神社と同じ仕組みなのだそうだ。


柱が杭となって刺さることで地中に点穴が作られ

砂利を踏むことで電流が流れ、微生物が活性化する仕組み


「空気の淀む場所ではまず1メートルくらいの穴を掘って焚き火をする。そうすると上昇気流が起きて地下にあった水脈を引き上げてくれる。そうやってフィールドにいくつか水と風の行き来する場所を作る。人間でいうお灸のようなもの。」

「人間がいることで自然が豊かになる暮らしがあるんじゃないかな。」洋見くんは言う。

「今は空が広がり海が見えてみんなから理想的だと言われるフィールドだけど、来た時は一面に木やツルが生い茂って作業してるとお互いのいる場所を見失うくらいジャングルだったよね。」と二人は笑う。


今はこんな風に見渡せる広場があるが、購入した2年前はジャングルだった。



恵美香さんがお庭のハーブできれいなピンク色のハーブティを淹れてくれた。

「この土地は裏ルートで巡ってきた場所なんですよ。」

「この辺りで川の流れている土地を探していて、でもなかなか見つからなくて。あ、これは神様へのご挨拶が必要だって感じて、近くの八幡神社にお参りして見えない世界にお願いしたの。そしたらこの土地が出てきた。それでも何度も話が消えそうになったから、その都度神さまやご先祖さまにお祈りしてそれで叶った場所なんだ。」

「遊びも仕事も祈りも区別なく日々の暮らしにあるものと思っていて

Earth tribesツアーは生活を表現の舞台として家族でおもてなししてる。

みんなにもそれを体験してもらいたいと考えていたら、大勢の人が泊まり込みでアースバッグを作りにきている今面白いことにそれが実現してるんだよね。」



この川が流れていることが、この土地を購入した決め手となった。


屋久島の各集落にはそれぞれの山の神様がいて、年に二回の岳参りには海の砂を持って神様にお供えし、海と里(人)と山を繋ぐそう。洋見くんは集落の代表として岳参りを任されているそうだ。

「リトリートに来てくれたみんなと山に入る時も山にご挨拶してから入るよ。“感じる”ことに重点を置いてるから山では裸足になってもらったり、瞑想の時間をとったりして、大地と繋がる時間を作る様にしてる。

普段はそんな事してないと言う人が、歩いているうちに自然と植物に話しかけたりしてるよ。」



神という意味のカムイに対しアイヌとは人間という意味。縄文文化からの流れを汲んでいるアイヌの暮らしは祈りが中心にある。人は見えない世界を当然存在するものとして大切にしてきた。その暮らしがここにはある。



アースバッグのバイオトイレについて


「トイレは普通隅の方だったり見られたくないものだったりするけど、どこまで神殿にできるかと言うことを大事にしてる。アースバッグに使う土を掘ってるときに石が出てきて。出てきた石を周りに立てたんだよね。」


EL Villageにあるバイオトイレ結について バイオトイレ結〘 Yui 〙 バイオトイレ結は、微⽣物たちが共存共⽣した環境で複合的な発酵が⾼まることにより、これまでは地域 の汲取り業者様等にお願いしていた汚泥の汲取りが⼀切不要となり、便槽として扱っていたものが発酵槽へと昇華します。発酵槽の健全な活動により、汚泥だったものは農林⽔産業などでとても有効に作⽤する酵素⽔となります。この⻩⾦⾊の液体はアンモニアなどの臭気もせず、ほぼ無臭。むしろマイナスイオンと活性化するエネルギーに満ち、地球へと循環していきます。


一番右の写真は発酵槽で微生物により発酵を促されて酵素水(ひかり水)となったもの。

排せつ物が大地も人間も元気にする働きを持つ水になるそう。



トイレにいた生き物オブジェたち。



「もっと不思議だったのはいつも行く川にきれいに7本の石が並んでたりね。昨日まで全然気づかなかったというかなかったので、あれにはびっくりした。

きっとこの石を並べてもらいたいんだろうなと、でも知識から8本の方がいいんじゃないかと思って庭から出てきた石も合わせて8本立てたら次の日その1つが倒れてて

あ、7本で良かったんだって。」



八幡神社で立つ石のお出迎えはこの話に通じた。


毎年リトリートで来てくれるあまね理樺さんの

パートナー我那覇一史(がなは かずふみ)さんが屋久島で描いた絵。

タイトルは『レムリア』



EL Villageの庭はこの絵ととてもシンクロしている。

土地とコミュニケーションをとりながら暮らすとこういった不思議がたくさんある。



山からは山菜、自分の畑からは野菜、川からはエビを採ってきて天ぷらを揚げてくれる中学1年生になったアニカちゃんは2時間海に入っていられる体力もあり、5歳の誕生日には屋久島を歩いて縦断したそう!子どもの可能性は本当に無限なのだということを鈴木ファミリーに証明してもらった。


3人はこれからモロッコへ旅に出る。ア二カちゃんは入学したばかりの学校をひと月休んで。

いつも誰かが訪れる賑やかな暮らしから久しぶりの家族だけの時間。

※現在は旅から戻られています


ここは人の可能性を信じ、ナビゲートしてくれる場所。

小さな頃からなぜか縄文に惹かれ、

死を体験した二人のソウルナビゲートは深いところに響くのではないでしょうか。





 

▷屋久島ソウルナビゲーション「Earth tribes」ツアーについてはこちら


▷―地球の暮らし実験場―EL Village(Earth Life Village)についてはこちら


▷薬草研究所についてはこちら



書き手 穂乃宮

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